根管治療

記事筆者:髙木 仲人

根管治療とは

歯の中の神経が炎症や感染を起こした場合に行うのが「根管治療(こんかんちりょう)」です。歯を抜かずに残すための最後の砦といえる治療で、マイクロスコープやCT、ラバーダムを用いた精密な無菌治療を行うことで、成功率を高めることができます。
なお、本ページは自費根管治療の内容となります。

根管治療とは

根管治療に適している方

以下のような方は、根管治療によって「抜かずに歯を残せる可能性」があります。

  • 他院で「抜歯が必要」と診断されたが、できれば歯を残したい方
  • 噛むと痛い・しみる・腫れを繰り返す歯がある方
  • 以前治療した歯が再び痛み出した、被せ物の下で炎症がある方(再根管治療が必要な方
  • 歯ぐきにニキビのような膿の出口(フィステル)ができている方
  • CT検査で歯根の先に黒い影(根尖病変)が見つかった方
  • 金属やレジンの下で虫歯が進行しており、神経が露出・感染している方
  • 神経を取った歯の内部に違和感・腫れ・鈍痛がある方

当院では、マイクロスコープによる精密視野下での治療を行い、「できるだけ歯を残す」ことを最優先に考えています。

ラバーダムについて

ラバーダムとは、治療する歯の周囲をゴムのシートで覆い、唾液や細菌の侵入を防ぐための防湿器具です。これを装着することで、根管内を清潔・乾燥した環境に保ち、治療中の再感染を防止します。また、誤って薬液や器具が口腔内に流れ込むリスクも防げるため、安全性が高まります。
当院では、すべての根管治療においてラバーダムまたは同等の防湿法を徹底し、国際基準の無菌的環境下での精密治療を実践しています。

根管治療とは
  • 感染した充填物の除去

  • Ni-Tiファイルによる拡大

根管治療の「保険診療」と「自費診療」の比較

※横にスクロールできます

保険診療 自費診療(精密根管治療)
使用器具 ステンレス製ファイル(手用) ニッケルチタン(Ni-Ti)製電動ファイルによる高精度処理
使用機器 拡大鏡・パノラマレントゲン マイクロスコープ+CT診断による3D視野での精密治療
治療環境 唾液の侵入を防ぐ処置は限定的 ラバーダム防湿・無菌的環境下で感染再発を防止
根管洗浄 次亜塩素酸ナトリウム洗浄 超音波洗浄+次亜塩素酸ナトリウム・EDTA+で細菌を徹底除去
根管充填材 キャナルシーラーBGなど一般材料 バイオセラミック系シーラー(Bio-C Sealer / MTA系)を使用
治療回数・時間 3〜7回(1回あたり20〜30分) 2回程度(1回60〜90分)で完結することが多い
費用(税別) 約1,000〜2,000円/回 相談料 1時間2万円(税別)
前歯 ¥100,000/小臼歯 ¥120,000/
大臼歯 ¥150,000
成功率(目安) 約60〜70% 約90%以上(文献的報告値)
保証・アフターフォロー 保険の範囲内 1年間の保証+CT再評価+定期メンテナンス込み

ポイント

保険診療でも一定の治療効果はありますが、再発を繰り返している方・精密治療を希望される方には、マイクロスコープとCTを併用した自費根管治療をおすすめしています。

当院の精密根管治療の特徴

  • 初診来院時 根尖性歯周炎により骨吸収あり

  • 自費の感染根幹治療終了直後

  • 自費感染根幹治療6か月後、骨の回復がみられた

  • マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)による最大25倍の拡大視野で、感染源を直接確認しながら除去
  • CT撮影による三次元診断で、見落としのない精密治療
  • ラバーダム防湿・完全無菌環境での操作
  • バイオセラミックシーラー(Bio-C Sealer)による高い封鎖性と生体親和性
  • 難治性再根管治療・歯根端切除術にも対応

精密治療に必要不可欠な
マイクロスコープ

マイクロスコープ

肉眼では見えない
細かな部分の治療が可能
高精度の治療を提供します

マイクロスコープは、肉眼では見えない部分まで綺麗に写すことのできるレンズと、暗い口の中を照らすことのできる強力な光源が備わっており、治療する歯を3倍から20倍以上の大きさに拡大し、実際に見ながら治療を行うことができます。

門前仲町髙木歯科では、自費治療の際には最大限マイクロスコープを活用し、正確で高度な治療を提供します。
※保険診療ではマイクロスコープを使用いたしませんのでご注意ください

根管治療では
治せないケース

歯の根っこの先に
膿が溜まってしまっている歯

  1. 溜まっている膿が軽度であれば再度神経を綺麗に消毒していき膿を出すという処置をすれば改善できるので、抜歯には至りません。
    しかし、膿が重度で多く溜まってしまっている場合は、周りの骨をも溶かしてしまうことになるので、そうならないように抜歯することになります。 歯の根っこの先に膿が溜まってしまっている歯

歯の根っこが割れている歯

  1. 歯の噛み合わが強すぎたり、歯並びの問題で一部の歯だけに強すぎる負荷がかかる噛み合わせになる人がいます。そのような人は、ぐっと食いしばった拍子に、歯の根っこに負担がかかりすぎて、歯の根っこが割れてしまうことがあります。
    歯の根っこが割れているので、もちろん痛みを伴います。折れてしまった根っこをくっつけることは出来ませんので抜歯することになります。
    もし、放置していると細菌感染が骨にまで広がってしまいます。 歯の根っこが割れている歯

根管治療後の痛みについて

根管治療後の痛みについて

根管治療の後に歯に物が当たると痛かったり、噛むと痛かったりすることがあります。歯の根の周りには噛んだ時に硬い物や軟らかいものを判断する歯根膜という薄いクッションがあります。根の先からこの歯根膜に炎症が伝わると咬合時に痛みが出ます。

普通に噛んでも強い痛みがある時には、歯医者で治療している歯の噛み合わせを調整してもらいます。噛む時に刺激がなくなれば楽になります。痛みが強ければ痛み止めを服用します。また、治療中の歯は安静にしておく必要があるため、噛まないように注意してください。

まとめ

根管治療は、見た目にはわからない歯の内部の治療だからこそ、「どれだけ丁寧に・確実に細菌を除去できるか」が結果を左右します。
門前仲町髙木歯科では、「抜歯と言われた歯を残す」「再発を防ぐ」「長く機能する」ことを目的に、最新機器と大学院での研究を活かした根拠ある精密治療を提供しています。

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